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2010 年度 実績報告書

プライミング効果の最適化に基づくLD児の読字書字支援に関する生理心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530883
研究機関東京学芸大学

研究代表者

小池 敏英  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50192571)

キーワードLD児 / 読字書字 / 学習支援 / プライミング / ワーキングメモリ
研究概要

プライミング効果とは相互に関係した刺激が継次的に呈示されると、先行処理によって後続処理が促進されるという現象で、文脈効果の一つである。教室での学習場面は時間軸に沿った、連鎖的な教材呈示と指示によって成り立っており、子どもの学習活動はプライミング効果によって促進され、効率化されていることが指摘できる。今年度の研究では、LD児の学習活動に、プライミング効果を適応し、効果的な学習支援方法について検討した。
支援課題としては、読み方をセグメント化する単語完成パラダイムを用いた。学習課題の冊子は1頁に1熟語の構成であり、同じ熟語を5頁連続で提示した。全部で4熟語・20頁の構成であった。反復学習群では全学習の記銘材料を全提示した。穴あき学習群では単語完成課題を応用し、読み方を穴あきで提示した。その結果、LD児群は、(1)反復方法では1回目の学習では全事例が2SD以下、2回目の学習でも4名が2SD以下にとどまった。(2)穴あき方法では1回目の学習では5名が2SD以下だったが、2回目の学習では2名のみであった。あわせて、学習課題遂行中のMRSを測定した。結果を比較すると、単語完成課題においてはdeoxy-Hbの増加は少量であり、著しい増加とならなかった。この特徴は、健常成人、LD児に共通であった。これより、数列完成課題は、過度の脳活動を必要としない効果的な学習を可能にし、
これより単語完成パラダイムは、漢字の読み学習に有効な支援課題である可能性が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] LD児の論理的思考の特徴に関する研究-算数文章題による検討-2010

    • 著者名/発表者名
      成川敦子, ら
    • 雑誌名

      LD研究

      巻: 19 ページ: 281-289

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 読字・書字障害の評価と支援2010

    • 著者名/発表者名
      小池敏英
    • 雑誌名

      児童青年精神医学とその近接領域

      巻: 51 ページ: 290-295

  • [雑誌論文] 脳と発達2010

    • 著者名/発表者名
      北洋輔, ら
    • 雑誌名

      読み書きにつまずきを示す小児の臨床症状とひらがな音読能力の関連

      巻: 42 ページ: 437-442

    • 査読あり
  • [学会発表] ひらがな文の読み障害を伴うLD児における漢字単語の読みの特徴2010

    • 著者名/発表者名
      熊沢綾, ら
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第48回大会
    • 発表場所
      長崎大学(長崎県)
    • 年月日
      2010-09-18
  • [学会発表] 聴覚記憶に困難を示すLD児に有効な漢字の書字支援に関する基礎的検討2010

    • 著者名/発表者名
      徐欣薇, ら
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第48回大会
    • 発表場所
      長崎大学(長崎県)
    • 年月日
      2010-09-18
  • [図書] 読解力を育む発達支援教材2010

    • 著者名/発表者名
      小池敏英
    • 総ページ数
      145
    • 出版者
      学研みらい社

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公開日: 2012-07-19  

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