研究概要 |
ADHD,高機能広汎性発達障害で不登校等の二次障害を実証的に予防することを目的として、1、特別支援学校(病弱)の自立活動の時間において、ストレスマネージメントの授業実践を行った。2、小学校等で以下の3つのレベル支援の実践を行った。一次予防とは、問題の発生を予防することであり学級全体に行われるメンタルヘルスへの支援である、二次予防とは、問題の悪化を防ぐことであり、特定のニーズのある子どもを対象に行われる支援である。三次予防とは、問題による二次的な社会的不利益を防ぐことであり、教育機関以外にも医療機関等との連携が必要になってくる。3、発達障害の子育て相談「ほっとルーム(武田鉄郎主催)を通して研究を推進してきた。いずれの場合においても、子ども用の情緒や行動の包括的な質問紙[親用のCBCL,教師用のTRFと本人用のYSRを使用して親,教師,本人の三者の立場から多面的に情緒や行動を評価し,客観的・主観的実態を検討すると共に,プロフィールの特徴を解析し,心理,行動特性を明らかにし、その支援のあり方を試行錯誤してきた。事例の対象となったすべての子どもは、情緒と行動面で「臨床域」の状態を呈していた。身体症状が強い児童生徒、昼夜逆転等の生活リズムの崩れている児童生徒、多動な児童生徒を対象に腕時計型小型高感度加速度センサー(マイクロミニ型アクティブグラフ)の活用し行動記録をとり、生理学的にその実態を明らかにした。例えば、4年間不登校状態で昼夜逆転している高機能広汎性発達障害の子どもの睡眠時における身体活動量が50回1分前後であり、睡眠の質が極めて悪いことを明らかにした。 これらのことを研究報告書にまとめた。
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