研究概要 |
1.歩行指導に関する全国の特別支援学校(盲学校)への実地調査 先に実施した、全国の特別支援学校(盲学校)歩行指導に関する実態調査をもとに、具体的な歩行指導の年間計画・個別の指導計画の詳細について検討した結果、歩行指導に携わる教員の抱える課題が明らかとなった。特に、専門的に歩行指導を行なっている教員以外に担任や寄宿舎指導員がその役割を大きく担っていること、学校内での組織的な指導態勢が不十分であることが分かった。これらの結果は、広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター紀要に報告した。 2.盲児童のオリエンテーション技能を高める触地図教材の作成 (1)触覚による分かりやすい触図表現 文科省が実施した全国学力・学習状況調査算数・数学点字問題における触図の表現方法について検討した結果、年度によりパソコン点訳と亜鉛板製版による作成が行われており、パソコン点訳では読み取りの困難な触図があることが分かった。その成果は、第46回日本特殊教育学会で報告した。 (2)盲児用触地図教材の開発 今回購入した英国製触図作成機器バキュームフォーマーを活用し、半立体教材を試作した。これについては、さらに多くの教材を作成して盲児童を対象に実験により検証し、適切な教材作成方法を検討する予定である。 3.米国・英国における盲児に対する歩行指導の概要把握 米国の歩行指導に関する文献、特に、Teaching Orientation & Mobility in the Schools (AFB,2002)を中心に検討し、盲児童に対する歩行指導プログラムの概要を把握した。
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