研究課題/領域番号 |
20530894
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
柏木 充 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80434778)
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研究分担者 |
岩木 直 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (70356525)
鈴木 周平 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10278525)
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キーワード | 不器用 / 簡易判定法 / 発達性協調運動障害 / 視知覚認知 / 頭頂葉 / 連合野 / 脳機能画像法 / 中心後回 |
研究概要 |
発達障害児に見られる「不器用」の神経基盤の解明のために以下の3つの成果を得た。 1.簡易判定法の作成 方法:発達障害児を含む43例を問診情報と微細神経学的徴候で構成した判定法で不器用さの有・疑・無に分類した結果と運動検査の結果を比較検討した。 結果:有群15例中14例、疑群11例中6例が障害境界以上、無群では17例中14例は障害なし。 考察:簡易判定法は有用で、発達性協調運動障害を診断する指標となると考えた。 2.発達性協調運動障害(DCD)児の視知覚認知の特徴について検討 方法:DCD13例とコントロール13例で3種類の視知覚認知課題を行い、結果を比較した。 結果:(1)下位レベルの課題(長さ等の違いを判断)は差異なし(2)高次レベルの課題(図形の位置関係等を判断)で差異あり(3)高次レベル+運動の出力の課題(図形の模写等)で差異あり。 考察:DCD児の視覚情報処理過程では、一次視覚野等の後頭葉ではなく、高次レベルの処理を行う頭頂葉や前頭葉の連合野に関連した脳機能に問題をもつ可能性があると推察した。 3.DCD児の脳機能画像研究(機能的核磁気共鳴画像法:fMRI) 方法:DCD12例とコントロール12例で視知覚運動課題を行い、fMRIの結果を比較した。 結果:行動学的指標では、DCD児は健常児に比べ不器用であることが示唆された。また、fMRIでは、DCD児は健常児に比べ左の頭頂葉と中心後回の活動が低いことを示された。 考察:DCDの不器用さの原因のこれらの脳領域の機能の低下が関与していると推察した。
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