研究課題/領域番号 |
20530894
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
柏木 充 大阪医科大学, 医学部, 非常勤医師 (80434778)
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研究分担者 |
岩木 直 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (70356525)
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キーワード | 不器用 / アスペルガー症候群 / 広汎性発達障害 / 発達性協調運動障害 / 視知覚認知 / 脳機能画像法 / 脳活動 / 神経基盤 |
研究概要 |
昨年度から継続して発達障害児に見られる「不器用」の神経基盤の解明のために、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害児(Pervasive Developmental Disorder : PDD)11人に関して(1)行動神経学的研究と(2)脳機能画像研究(機能的核磁気共鳴画像法:fMRI)を進め、年齢を合わせた発達協調性運動障害児(Developmental Coordination Disorder : DCD)や健常児の3群で脳活動や課題成績を比較検討した。 (1) 行動神経学的研究 方法:微細神経学的徴候・視覚認知検査・運動検査・視知覚運動課題等の成績を上記の3群で比較検討した。 結果:健常児群に比べて、PDD群やDCD群は有意差をもって成績の低下を認めた。PDD群はDCD群と比較すると成績は、課題で差異があるが同等かやや良かった。 意義:PDD群はDCD群とほぼ同様の不器用さを持っていることが示唆された。課題別によるさらなる詳細な検討が必要である。 (2) 脳機能画像研究 方法:視知覚運動課題施行中における脳活動や課題成績を上記3群において比較検討した。また、課題成績と脳活動量や脳活動部位との関連も検討した。 結果:課題成績は、行動学的研究と同様に、健常児群に比べて、PDD群やDCD群は有意差をもって成績の低下を認めた。PDD群はDCD群と比較すると課題成績は、ほぼ同等であった。脳活動については現在、比較検討中である。 意義:3群の比較により、PDDと健常児の脳活動の違い、また、発達障害でも違う疾患とされているPDD群とDCD群との比較をすることにより、「不器用」の神経基盤がより明確になると考えられる。
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