虐待防止が児童相談所を軸に展開しているが乳児や低年齢幼児への虐待は顕在化しにくく、一方で虐待死が4 歳児までに8 割を超すことから現状の虐待防止策に根本的な見直しが必要となっている。この現状に歯止めをかける方策の開発を目指した。日本の乳児幼児対象施策のうち母子保健事業に着目し、従来から研究代表者が母子保健事業で関わってきた二本松市との間で協力が成立し、保健師が中心になって行っているこの事業を虐待の防止や虐待の可能性のある保護者の早期発見につなげる方法として、妊娠した母が役場を訪れる母子手帳交付時に着目し、この機会に質問票記入を依頼し、虐待の予兆を検出する事を目指した。数回の現場スタッフとの協議の末、母とその夫(パートナー)についても養育意欲や配偶者との関係などについて別途に質問することで、予兆の検出がより可能になると判断し、妊婦用、パートナー用2 種類の質問票を作成した。
|