本年度は、講義形式の研修とワークショップ型の研修を組み合わせたパッケージを中心に検討を行った。具体には、これまでの研究成果を踏まえて作成した、ICF及びICF-CY(以下、ICF/ICF-CY)に関する基礎的な知識と特別支援教育における活用動向等についてのコンテンツを用いて講義を行った後、ICF/ICF-CYの概念的枠組みを用いて子どもを理解し、指導と支援の方向性を検討するための「ICF関連図」の作成演習を盛り込む構成とした。後半の演習では、これまでの成果を基に改善した「ICF関連図」作成手順を用いた。 仮想事例についてのみ「ICF関連図」作成演習を行った参加者群と仮想事例後に実際事例についても作成演習を行った群に対して、研修終了後に質問紙による調査を行ったところ、実際事例に取り組んだほうが作成手順の分かりやすさや具体的な作成作業の分かりやすさ等が増し、より実際の活用に寄与できる可能性があることが示唆された。また、子どもの実態について書き込む付箋紙の分類の仕方等、作成手順の改善を図り、より具体的なものを提示していく必要性も示唆された。 なお、本研究において検討を進めてきた、自主研修を支援するためのWeb上でのツール(スライドショー等)についての考察は十分とはいえず、今後も国内外の関係機関等と連携をはかりながら、引き続き検討を進める必要があると考えられた。
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