研究課題
本研究では、3次元空間での活動に必要不可欠な奥行きの知覚について、"perception(知覚応答)"と"action(運動応答)"という場面の違いによる、単眼視でも得られる単眼奥行き手がかりと、両眼視によって得られる両眼奥行き手がかりの重み付けの違いを、中央大学の山口真美教授ほか、多くの研究者の協力を仰ぎ、乳児を対象とした発達研究により検討している。本年度は、前年度に引き続き、米ミネソタ大学のYonas教授、独ボン大学のKavsek私講師らと協力し、複数の実験を実施した。この一連の研究により、Yonas教授らが行なってきたリーチングという"action"と、"perception"における奥行き知覚との比較ができる。実験はミネソタ大学、ボン大学、中央大学の3箇所で実施し、学会での打ち合わせなど、密接に情報を共有している.研究成果は国際学会で発表し、英語論文がJournal of Visionに採択された。これら一連の研究を通して、乳児においても、成人と同様に、"perception(知覚応答)"において、"action(運動応答)"よりも、単眼視でも得られる単眼奥行き手がかりの重みづけが大きい可能性が示された。さらに、両眼手がかりを用いた奥行き知覚について、東京工業大学の金子寛彦准教授に協力をあおぎ,生後6ヶ月の乳児が、左右眼の像の垂直方向のずれである「垂直視差」を用いて奥行きを知覚できる可能性を示し、英語論文を投稿中である。
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Japanese Psychological Research
巻: 52(4) ページ: 281-290
Journal of Vision
巻: 10(12):2 ページ: 1-11
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~ymasa/labo/tsuruhara.html