研究概要 |
離散系列表現に付随する保型形式の次元公式に応用するために基礎として, 離散系列表現の球関数, 放物的部分群に付随する冪零軌道と概均質ベクトル空間の構造について研究した. 特に保型形式の基礎のために新たな著書「保型形式とユニタリ表現」の執筆を行った. 必ずしも複素構造をもたない対称領域をJordan三重系で表示することにより, 有界対称領域上で正則離散系列表現を構成したのと同様に非正則離散系列表現を構成し, 特にその球関数の明示的な公式を求めることが来年度以降の課題である. 特に正則離散系列の球関数を全実な部分領域に制限してできる球関数が実際に離散系列の球関数になる場合を特定したいこのような離散系列表現は高橋礼司氏により最初に構成された非正則離散系列表現の一般化であると思われる. また, その球関数が非常に簡単なかたちをしているので, 我々の作業仮説を検証するための良いモデルを提供すると期待される. その他の研究活動として ・2008年8月18日〜21日 : 千葉県幕張にて整数論サマースクールにて保型形式に付随したL-関数の井パン論について研究した. ・2008年9月11日〜15日 : 長野県白馬村にて整数論オータムワークショップにて保型表現の一般論およびGSp(4)の場合の研究 ・2009年1月19日〜23日 : 京都大学数理解析研究所にて保型形式研究集会に出席し, 離散系列表現及び付随する球関数について研究した. さらに研究室のコンピュータ環境を改善するために, パーソナルコンピュータ及び必要な周辺機器を購入した.
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