研究概要 |
本年度は主に次のテーマを中心に研究を行った。 (1)結晶基底の幾何学的理論と付随する組合せ論:アフィングラスマン多様体の幾何学に期限を持つMirkovic-Vilonen凸多面体と結晶基底の関係を調べ,昨年度までに得られた成果を精密化した。この成果に関しては8月(名古屋),10月(京都)の国際研究集会で口頭発表を行った。また,成果をまとめた研究論文を欧文専門誌に投稿中である。 (2)多元環の表現論との関係:qが1の累根の場合の量子群の表現のなすテンソル圏の構造を調べ,直既約表現同士のテンソル積の直既約分解を完全に決定した。この研究成果に関しては,5月(北京)の国際研究集会で口頭発表を行った。また,成果をまとめた学術論文を欧文専門誌に発表した。 (3)Hecke代数の表現論への応用:筆者が連携研究者として参加している「古典可積分系と量子可積分系の接点の探求」(研究代表者:筧三郎)の研究の中で急速に議論が進み,直交多項式系の理論との関係が明らかになった。また,この成果をまとめた研究論文を欧文専門誌に発表した。
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