研究概要 |
有限体上定議された代数曲線を用いた公開鍵暗号では、Gaudry, Diem etc.の結果より、有効である曲線C_0は、楕円曲線、超楕円曲線でその種数が2,3の場合に限られることが知られている。k=F_q、k_d=F_{q^d}とし、k_d上の曲線を扱う場合では、Weil restrictionを用いた攻撃方法が知られている。ある種の曲線の場合には、k上定義された種数(d+e)x g(C_0)の被覆曲線Cが構成され、この曲線Cに対するDiemの攻撃法を持ちうると、eがdに比べて余り大きくないときには、暗号解読が容易になることが分かる。趙氏との共同研究では、e=0の場合の曲線C_0を全て分類した。今回は、飯嶋、趙両氏との共同研究で、eがOでない場合で、奇標数で有効な場合につぃて、曲線C_0の分類を完成することが出来た。 今回の方法は、前のe=0の時のアイデアを一般化したものである。また、被覆曲線Cが、実際にkの上で定義されるための、必要かつ十分な条件を、簡単な関係式で表すことが出来た。この問題は、多くの研究者が問題としていたものである。 曲線C_0の同型類の個数については、e=0,d=3の場合では、正確な数が求まっていて、かなり多くの対称が攻撃の対象となることが分かっている。さらに、C_0が楕円曲線の場合では、被覆曲線の方程式を簡単に求めることが出来る。今回の場合についてのこの問題はこれからの研究の対象である。また、標数2の場合についての研究は現在進行中である
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