研究概要 |
昨年度まで有限体上のDedekind和とその相互法則を考察してきた。今年度はDedekind和について今までに得られた研究成果を研究集会で報告して、関連する研究テーマに関して出席した研究者と研究打ち合せを行った。具体的に以下のことを実施した。カナダのバンフ国際研究ステーションで開催された研究集会"Dedekind sums in geometry, topology, and arithmetic"(2009年10月11日~16日)で"Reciprpcity laws of Dedekind sums in characteristic p"という題目で研究発表した。Abdelmejid Bayadとの共同研究で、有限体に対してZagier型の高次元Dedekind和を導入してその相互法則を証明した。同じアイデアを利用して有限体上の1変数関数体上でも高次元Dedekind和を定義して相互法則を示した。また、同じ研究者とKanekoの多重Bernoulli数を研究して、多重Bernoulli多項式を定義、およびそれらの満たす基本公式を与えた。さらに一般化Arakawa-Kanekoゼータ関数を導入して、多重Bernoulli多項式がこの関数の負の整数値であることを証明した。以上の結果を論文として次のようにまとめた。 1.Higher dimensional Dedekind sums in finite fields. 2.Higher dimensional Dedekind sums in function fields. 3.Polylogarithms and poly-Bernoulli polynomials. 最後の論文はKyushu Journal of Mathematicsから出版される予定である。 その他、Bernoulli多項式のq-類似、多重Bernoulli多項式を一般化した一般多重Bernoulli多項式などについても研究打ち合せを行った。
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