研究概要 |
名古屋大学・大学院多元数理科学研究科において毎週,代数幾何学・微分方程式論のセミナーを博士課程の学生と行った.その内容は微分方程式・差分方程式のガロア理論の一般化,および力学系の理論であった.次のような成果が得られた. (1)流体力学で扱われる渦の方程式の可積分性についての考察.nが3ならば可積分である.一般のnについては結論が出せなかった. (2)Picard-Vessiot理論のガロア群野定義についての新しい発見.微分基礎体K上の線形微斉次分方程式を考える.その1次独立な解全体をKに付け加えて得られる微分各代体をLとする.拡大L/Kにおいて、定数の拡大が起こっていようとも,一般ガロア理論は与えられた線形微分方程式のガロア群を与える. (3)離散ソリトン理論の数論的側面の研究.離散ソリトン解は有理数体上定義されるので、その数論的性格は興味ある主題である.p-進位相から見たソリトン解の可積分性について実験を行った. (4)Hopfガロア理論と量子化の問題を研究した.非常に興味深い例が見つかったが、未解決の問題も多くこれかちの研究が待たれる. (5)特殊化におけるガロア群の振る舞い似ついて考察したが,成果は得られていない. (6)ソリトン方程式のガロア理論による扱いについては,さらなる追求が必要である.
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