• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

正標数を含む代数多様体の数論と幾何に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20540044
研究機関広島大学

研究代表者

伊藤 浩行  広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60232469)

キーワード代数学 / 楕円曲面 / K3曲面 / Calabi-Yau多様体 / 特異点
研究概要

本年度は、正標数の代数多様体に関し、次の4点について研究を行った。
(1)病理的減少を中心とした正標数の特異点理論の整備
(2)正標数Calabi-Yau多様体の標数0への持ち上げ可能性に関する研究
(3)標数0を含むK3曲面の数論的動機付け、及び正標数幾何学からの研究
(4)巨大有限体の構成を楕円曲線の数論への応用
(1)に関し、任意標数、任意次元の上定義された単純特異点の等特異軌跡の決定を行った。これにより正標数における単純特異点由来の病理的現象が説明出来、これまで発見されていた準ファイブレーションが統一的に説明することが出来るようになった。また、3次元標準特異点の正標数での分類が可能となり、これらをあわせて正標数特異点理論に非常に大きな進展をもたらした。
(2)については、従来より行ってきた準楕円曲面のファイバー積によるCalabi-Yau多様体の、いわゆるSchoenの構成法により構成を行い、標数2において未発見であった標数0への持ち上げ不可能な多様体の構成を行った。これらは、Calabi-Yau多様体の幾何学を研究する上で非常に興味深い例であり、また構成中に現れたクレパント特異点解消では上記(1)とも関連し、正標数特異点における極めて重要な興味深い例を数多く与えた。
(3)標数pの体上定義された楕円K3曲面でp切断を持つものについて分類を行った。K3曲面のモジュライ空間の普遍族の構成とも関連し重要な族を与えることが出来た。
(4)従来より行っている巨大有限体の具体的構成に付随し、その具体的構成法を利用し楕円曲線の有理点のなす群の数論について研究をし、部分的結果を得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Calabi-Yau threefolds arising from fiber products of rational quasi-elliptic surfaces, II2008

    • 著者名/発表者名
      M. Hirokado, H. Ito, N, Saito
    • 雑誌名

      Manuscripta Mathematica 125

      ページ: 325-343

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deformation of a singularity of type E_8 and Mordell-Weil lattices in characteristic 2

    • 著者名/発表者名
      H. Ito
    • 雑誌名

      Mathematische Nachrichten (掲載決定済)

    • 査読あり
  • [学会発表] Equisingular loci of simple singularities in positiv characteristic2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤 浩行
    • 学会等名
      Algebraic Geometry in Positive Characteristics and Related Topics
    • 発表場所
      名古屋大学多元数理科学研究科
    • 年月日
      2008-11-06

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi