研究概要 |
複素数体上定義されたn次元非特異射影多様体Xとその上の豊富な因子Lの組(X,L)を偏極多様体と呼ぶ.このとき多様体上に定義される標準因子Kと豊富な因子Lとの和で定義される因子K+Lを随伴東という この随伴東の飯高次元が0以上のときはこの随伴東を何倍かすると大域切断を持つことがわかる そこで本研究では,実際に何倍すればどの随伴東に対しても大域切断を持つかについて考える その際に偏極多様体の不変量である断面幾何種数などの性質を用いて調べることが本研究の目的である 今回の研究課題では特にXの次元が3次元と4次元の場合について主に考える 1.3次元の場合についてはすでに2倍すれば大域切断を持つことがわかっているので,あとは2倍する必要があるかどうかについて調べればよいことになるのでこれについて研究する 2.4次元の場合については,考察に多重偏極多様体に関する不変量が必要であることがわかっているのでこれに関する性質を研究する.また4次元の場合を考察する手段として,取り扱いがしやすいと思われる「随伴束がnefとなる場合」を考察し,その結果を用いて一般に随伴束の飯高次元が0以上の場合について考察する 3.正標数の体上定義された非特異射影多様体上で上と同様のことを考えてみる
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