研究概要 |
研究実績の概要の要旨は次のようなものである。 最初に代数的同境界理論を計算し、その後にChow ringを、さらにmotivic cohomologyまてせも計算しようというのが当研究の方法である。今年度は、対象とする空間を群の分類空間と2次形式で定義される代数多様体(quadrics)に限定して研究をおこなった。特にRost Motivesを使い、2次形式により定義された多様体のChow ringを計算した。さらに定義体が実数体の場合にmotivic cohomologyも計算した。この時、coniveau spectral sequenceを多用している。 数年前より、去年にかけて、Voevodosky,Rost,Suslinの論文が発表され(使われる定理は以前より予告されていたが)Milnor予想の奇数素数版であるBloch-Kato予想の解決かせ宣言された。さらに、Levine、Pandraharipandeにより代数的同境界理論も新しい定義が発見された。それらの結果を当然ここで使っている。 さらに、外国の研究者の結果を理解し、たとえば層の理論や代数幾何学の理論を使わずに純粋にBP-理論のみでできるところとそうでないところを、区別整理することが必要である。特にAtiyah-Hirzebruch spectral sequenceは代数的K-理論の計算にも役立つのでこの方面も勉強が必要であると感じている。 代数的同境界理論に対する、Atiyah-Hirzebruch spectral sequenceは柳田が構成したものであるが、特に外国の数学者との関係を重視し応用しやすい形に変えている。特に最近ロシアの数学者であるVishikが2次形式で定義される多様体のChow ringやmotivic cobordismの研究を進めている。それで我々も代数的同境界理論やChow ringsの計算ができるようになった。
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