研究概要 |
当研究代表者は主に球面上の熱核の漸近展開係数の研究に取り組んだ。成果は以下の2論文にまとめた。[1] M.Nagase,Expresions of the heat kernels on spheres by elementary functions andtheir recurrencere relations(球面上の熱核の初等関数表示と回帰性関係),submitted;[2]M,Nagase,The Laplacian and the heat kernel acting on differential forms on spheres(球面上の微分形式に作用するラプラス作用素と熱核),submitted [1]について:球面上の関数に作用する熱核の,対角成分の近傍におけるt→0の場合の挙動を考察している。それは指数減少項を無視して初等関数を使って記述できる。更にそれの任意の微分も現れる初等関数の適当な微分によっ、て記述でき,それのt→0の場合の挙動の研究はほぽぼ初等関数についての考察に帰着されることが判明した。また,その初等関数についての考察によって種々珠元の球面の熱核達の間には興味深い再帰関係のあることも判明している。こうしたことは熱核を核として作られる種々不変量の研究においてきわめて重要である。[2],についてゴ球面上の微分形式に作用する熱核の,対角成分の近傍におけるt→0の場合の挙動を考察している。余接束め適当な局所枠を使うことにより,その熱核は回転群上の関数に作用するそれの研究に帰着される。リー群上の熱核については多くの研究があり,後者についての浦川の和公式やワイルの積分公式の応用によって,前者はある種の和公式を持つことが判明している。
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