研究課題/領域番号 |
20540077
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
清原 一吉 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80153245)
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研究分担者 |
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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キーワード | 可積分測地流 / リウヴィル多様体 / Kaehler-Liouville / Staeckel / cut locus / conjugate locus / ellipsoid |
研究概要 |
本年度は3つの問題を具体的に設定して、ほぼ平行して研究する予定であったが、そのうちの2つについてほぼ満足すべき結果が得られた。 まず一つ目:「楕円体を含む、ある種のLiouville多様体の一般点の共役跡の特異点集合の様子および全体の形状について調べる。さらにノンコンパクトなLiouville多様体のカットローカスについて調べる。」という問題に対して、2次元の場合を論文として完成させることができた。その過程で高次元の場合の細部のいくつかを明確にすることができ、共役跡については論文の骨格を作る所までできた。またノンコンパクトな場合については埋め込みを使ってコンパクトな場合に帰着させる方法が有用であることが判って来た。これは伊藤氏との共同研究である。 二つ目:「Hermite-Liouville多様体の理論を研究する。昨年までの結果、即ち、局所的構造の決定と複素射影空間上に作られる大域例についての論文を完成させる。また、関連する問題として「射影同値」のエルミート版に対応する関係を持つ、2つのエルミート計量を持つ複素多様体と、Hermite-Liouville多様体との関係についても調べる。」という問題については、2つの論文を完成させた。ひとつはHermite-Liouville多様体の局所理論と射影空間上の大域的な例の構成を内容とするもので日本数学会の雑誌にアクセプトされた。もう一つは射影同値の概念のエルミート版に関するもので、完全な局所理論と大域的性質に関する結果を含む。特にここに詳しくは書いていないが、この場合の大域的例は日本数学会の雑誌に記述したものには含まれないものがある。これらは五十嵐氏およびTopalov氏との共同研究である。
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