研究概要 |
n次元Euclid空間内の有界領域におけるLaplace作用素のDirichlet固有値問題の第k番目固有値に関する下限の研究について,Li-YauはFourier変換を巧く利用し,著名なPolya予想を部分的に解決した。一般的な完備リーマン多様体内の有界領域におけるLaplace作用素のDirichlet固有値問題の固有値に関する下限の研究はとても重要であるが,この場合にはFourier変換が使えないので,Polya予想のような研究成果が得られなかった。私とYang氏の共同研究で,Fourier変換の代わりに固有値に関する普遍不等式及びCheng-Yangの漸化式を用いて,Polya予想のような第k番目固有値に関する下限を得た。さらに,双曲空間内の有界領域におけるLaplace作用素のDirichlet固有値問題の固有値に関する普遍不等式を証明した。張り詰められた状態でのプレート(clamped plate)問題の第k番目固有値に関して,Levine-Protterはkの最大位数の意味で第k番目固有値に関する最適な下限を得た。我々は領域の「moment of inertia」を利用し,領域の対称減少再配列方法を用いて,Levine-Protterの不等式を精密化した。即ち,kの最大位数のみならず,その次の位数項も導いた。球面内の領域における多重調和微分作用素の固有値問題の固有値に関する普遍不等式の研究がとても難しいので,我々は2(k+1)個の関数及び2つ微分作用素を導入し,それらの性質を研究した。それを用いて,球面内の領域における多重調和微分作用素の固有値問題の固有値に関する普遍不等式を得ることが成功した。Euclid空間内の有界領域における多重調和微分作用素の固有値問題の固有値に関する普遍不等式を研究し,最適な研究成果を得た。完備なリーマン多様体内の有界領域における張り詰められた状態でのプレート(clamped plate)問題の固有値を研究し,Nashの定理を利用して,試験関数を作り,優れた評価を通じて,低階数固有値に関する最適な普遍不等式を得た。
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