微分同相群の1次元ホモロジー群の決定および交換子の長さについての研究を行った。成果として、境界を保つ微分同相群の完全性および一様完全性について考察し、論文として発表した。さらに、部分多様体を保つ微分同相群の一様完全性について論文作成中である。また、葉を保つ微分同相群について考察し、トーラス上の1次元葉層に対して葉を保つ微分同相群が一様完全である必要十分条件を与えた。以下の研究集会や研究連絡での情報収集や議論は本研究を進める上で有益であった。 1.2009年6月、『トポロジーと特異点の幾何』(松本市)に参加、情報収集を行い、合わせて信州大学理学部の阿部孝順教授と同変同相群についての研究連絡を行った。 2.2009年8月、『全日本トポロジーシンポジウム』(札幌市)に出席し、研究連絡および情報収集を行った。また『幾何学シンポジウム』(佐賀市)に参加し、情報収集を行った。さらに、『山代微分トポロジー』(加賀市)を主催し、東大 足助太郎氏、松田能文氏、京都工繊大 矢ヶ崎達彦氏、阪大 森淳秀氏、東京海洋大 横山知郎氏、お茶の水女子大 柳井佳奈氏、龍谷大 伊藤敏和氏および名大名誉教授の佐藤肇氏たちの講演を持ち、実りある研究連絡を行った。また『葉を保つ微分同相写像の交換子の長さについて』と題して講演を行った。 3.2009年12月、『複素解析的ベクトル場・葉層構造とその周辺』(京都市)に出席し、講演『Commutator length of leaf preserving diffeomorphisms』を行った。 4.2010年1月、『冬の力学系研究集会』(東京)に出席し、情報収集を行った。 5.2010年3月、信州大学の阿部孝順氏との研究連絡を行った。部分多様体を保つ微分同相写像の一様完全性およびその部分多様体が余次元2の場合、ある部分群の元の交換子長の非有界性についての研究連絡を行い、実り多い議論ができた。
|