今回の研究の目的の一つにコンパクト単純例外型リー群Gの分類空間BGのコホモロジーの決定というのがあるが、岡山大学名誉教授の三村護氏と高松工業専門学校の中川征樹氏との共同研究で、F_4型のリー群の分類空間BF_4の整係数のコホモロジーを決定することができた。これは、捻じれ部分群とコホモロジーを捻じれ部分群で割った自由加群の構造を調べることで決定することが出来る。まず、自由加群の方であるが、最初に極大トーラスへのWeyl群の作用を用いて、極大トーラスの分類空間のコホモロジーのWeyl群による不変環の構造を決定した。ここでは、数式処理システムRisa/Asirを用いてプログラムを組んで計算した。更にFeshbachの定理を用いて不変環がF_4型の分類空間のコホモロジーの自由部分加群と同型であることを示した。捻じれ部分群の方は、Bocksteinスペクトル系列の微分の像を決定することにより、その構造を決定した。 E_6型のリー群の分類空間BE_6のmod 3コホモロジーについては、今のところ、Mimura-Sambe-Tezukaの部分的な結果があるが、その結果について検証した。この時に用いたプログラムでは、コンピューターの能力の限界に近くに達しているので、今後、彼らの結果を越えて完全な結果を得るためには、プログラムを改良していく必要がある。 それから、例外型リー群のいくつかの部分群の分類空間のmod 2コホモロジーの構造に関し、Steenrod代数上の代数としての構造を決定した。これもRisa/Asirで書いたプログラムを用いて計算している。これらの結果は今後の計算に十分役立つと考えられる。
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