今回の研究の目的であるコンパクト単純例外型リー群の分類空間のコホモロジーの決定と関連して、その部分群の分類空間のmod2コホモロジーのうちのいくつかの構造を数式処理システムRisa/Asirを用いて計算することに成功した。これらのコホモロジーに収束するRothenberg-Steenrodスペクトル系列のE_2項は親玉であるリー群の分類空間のコホモロジーに収束するスペクトル系列のE_2項と同様の構造をしているものが多いが、コモホロジー自身の構造は微妙に異なっている場合もあるようである。更にこの結果を用いてリー群の準同型が誘導する写像を用いてお互いの関係を調べていく予定である。 それからpが奇素数の場合の例外型リー群の分類空間のコホモロジーの計算についてであるが、これらは次数付可換なので、Risa/Asirを用いて計算するよりも、数式処理システムSingularを用いて計算するほうが良いと思われる。そのため、Risa/Asirで計算に用いていたプログラムの多くをSingularに書き直した。書き直したプログラムを用いて既に知られているランクの低いリー群の分類空間のmod3コホモロジーを計算してみたところ、うまく動いているようなので、これを用いて例外型単純リー群E_6、E_7などの分類空間のコホモロジーを決定していく予定である。
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