代数的L理論ホモロジー群から通常のL群へのアセンブリ写像が、制御L群を経由していることの証明を、制御写像p:E→Xが有限多面体への写像でiterated mapping cylinder分解を持つ場合に試みた。ホモロジー群の定義は、昔は多面体の単体分割構造によったもの(#1と呼ぶ)が提唱されていたが、現在はその双対胞体構造によったもの(#2と呼ぶ)が使われている。上のような特殊な場合には両者に共通する定義(#3と呼ぶ)が存在する。この定義の問題点は、サイクルをひとつ取ったときに幾何学的オブジェクトを全体が貼り合わさるように対応していないことである。研究代表者はサイクルを構成するひとつひとつの単体に、自然に幾何学的オブジェクトを対応できることを、#3のex-spectrumから#1のそれへの写像を作ることによって示した。その際、像は#1の中のproperな単体たちの中にはいることがわかる。そのようなproperな部分では圧搾構造が定義できることも証明することができた(Alexander trick)。一般にサイクルの上にちらばった幾何的オブジェクトをアセンブルする際に、和のサイズが大きくなるが、その大きさがサイクルの次元を用いて上から押さえることができることが期待できる。これがもし正しいとすれば、圧搾構造を用いて、ホモロジー群から制御L群への写像が構成できることが示される。さらに考えているL理論をRanickiの-∞L理論とすれば、ホモロジー群と制御L群との同型も示すことができる。
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