本研究では、代数的符号理論特に代数的な研究が古くから行なわれているself-dual codeについての研究と、組合せ論の一つの分野であるdesignについての研究をself-dual codeと関連付けて行なうことを主な目的としている。長さ72のextremal doubly even self-dual codeの存在性については未だに決定されておらず、代数的符号理論の有名な未解決問題の一つになっている。特に、今年度は、この長さ72のextremald oubly even self-dual codeに対するある種の特徴付けを行なうことを主な目的として挙げていた。今年度の研究で実際に得られた結果の中で主なものを次に述べる。 Z/2kZ上の長さ72のextremal Type II codeを定義することが出来るが、特にk=1の場合が上で挙げた存在の決定されていないextremal doubly even self-dual codeとなる。k=1を含めて一般のkに対してその存在性を調べた。72次元のextremal even unimodular latticeの存在に関連づけることで、kが4以上の偶数の場合に長さ72のextremal Type II codeの存在性を示すことが出来た。 なお、昨年度から取り組んでいた内容については、ムーシャイン頂点作用素代数に関係してcodeに関する結果を論文にまとめて投稿する作業を行ない、また、self-dual codeの分類問題については、長さ36のbinary self-dual codeとGF(4)上の長さ20のself-dual codeの分類を完成させることが出来た。いずれも既に論文として投稿中である。
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