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2008 年度 実績報告書

不均質環境における生物種の生存競争の数理解析

研究課題

研究課題/領域番号 20540109
研究機関電気通信大学

研究代表者

中村 健一  電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (40293120)

キーワード反応拡散系 / 2種競争系 / 界面方程式 / 進行波
研究概要

1.競争関係にある2種の生物の拡散増殖モデルである2種競争系の進行波について、環境の非一様性が進行波の存在・安定性、および伝播速度などの定性的性質に与える影響について数理的研究を行った。具体的な内容は以下の通りである。
(1)2種類の生物の強弱にあまり差がない場合に、強い生物の生息域の拡大速度の精密な評価を力学系の理論、および比較関数の構成により行った。その結果、不均質環境における生息域の拡大速度は一様環境下の拡大速度よりも遅くなることを厳密に証明した。
(2)特異極限下で得られる界面方程式を非一様な空間構造を持つシリンダー領域において考察し、境界の形状が非常に細かい構造を持つ場合の伝播速度の評価を行った。
2.空間周期的な不均質環境における侵入生物の空間伝播に関して重定-川崎-寺本によって提案された拡張フィッシャー方程式に対し、環境の空間的変化が非常に小さなスケールで生じている場合の進行波の伝播速度について考察した。具体的には、マクロスケールを記述する変数とミクロスケールを記述する変数を導入して異なるスケールにおける解の挙動を分離する均質化法のアイデアを援用することにより、環境変化が非常に小さいスケールで起こっている場合の進行波の伝播速度を与える公式が従来用いられてきた手法よりも平易でわかりやすい方法で得られることを明らかにした。この手法は従来の方法とは異なり、高次元問題にも容易に拡張されるため、不均質環境における生物侵入の伝播制御への応用が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 均質化の基本的なアイデアと不均質媒体中のフロント伝播への応用2008

    • 著者名/発表者名
      中 村 健 一
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1597

      ページ: 62-68

  • [学会発表] 非一様な場を伝播する進行波の速度2008

    • 著者名/発表者名
      中 村 健 一
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2008-09-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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