研究課題
平成20年度は以下のような研究を行った。1. 確率論と数論の関係、特にリーマンゼータ関数の特殊値を確率論的な方法で求める方法に関する研究を行った。現在までにこのような数論に関係する特殊値を確率論的な方法で求めるようなアプローチはみられず、本研究がその端緒となると思われる。さらに他のゼータ関数への応用も本年度引き続き行っている。2. (東京理科大 金子宏氏との共同研究)p進整数環における一様列の研究、特に一般化ファンデルコルプト列をp進整数環上ではじめて考察した。さらにこの延長にある研究も引き続き行っている。3. (一橋大学 石村直之氏との共同研究)保険数理、とくにカタストロフィオプション、変額保険などへのオプション価格理論の応用に関する研究。筆者が開発した離散確率解析の手法を用いたオプション価格理論をさらに保険数理に適用した。このようなアプローチは目新しいもので本年度も引き続きこの研究の発展として最適化への応用、エキゾティックオプションの価格付けへの応用を試みている。4. エキゾティックオプションに関する研究パリ第6大学マークヨール教授との共同研究でミアンダーオプションと呼ばれる新しいエキゾティックオプションを考案し、その価格付けを行った。その際、ドリフト付きブラウン運動の分布論に関する数学的に新しい結果も発見し論文にまとめた。平成21年度もこの研究や関連する確率分布論の研究も引き続き行っている。また、ヨール教授との共同研究でPast Future Martingalに関する研究も行った。この研究はプレプリントにまとめ、現在投稿中であり、平成21年度中での公表が期待される。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)
The Institute of Statistical Mathematics Cooperative Research Report 213
ページ: 98-103
京都大学数理解析研究所講究録 1590
ページ: 1-9
Monte Carlo Methods and Applications 14
ページ: 303-310
Hitotsubashi J. of Economics Vol 49, 76-74 2008大学・研究所等紀要 49
ページ: 67-74