研究課題/領域番号 |
20540122
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
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研究分担者 |
大塚 浩史 宮崎大学, 工学部, 准教授 (20342470)
矢崎 成俊 宮崎大学, 工学部, 准教授 (00323874)
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キーワード | 反応拡散方程式 / 縮約系 / 特異摂動法 / 分岐構造 |
研究概要 |
1. Mikhailovのグループが1998年に提唱した金属表面上での触媒化学反応(CO+O->CO_2)をモデル化した反応拡散方程式を扱う。 (1) 1次元の有界区間において、反射境界条件のもと移流係数が十分大きい場合の定常解の存在を考察するため、その係数を無限大にした場合の縮約系を導入した。拡散係数を分岐パラメーターとして定数解から分岐した解が境界層を持つ特異摂動解につながるという大域的な定常解の解構造を示した。また、定常解の存在について、方程式に含まれるパラメーターの依存性を調べた。 (2) 2次元平面において吸着分子の密度が高い領域の境界(界面)の動きを記述する縮約系を形式的に導出した。特に高密度領域が帯状に近いと仮定することで、2つの界面は平行位置の摂動として扱うことができる。これにより、界面の動きは平面進行波の速度、界面の曲率と積分で表示される2つの界面の相互作用を含むこと方程式で記述されることを示した。また、特異摂動法により拡散係数が小さい場合には2つの平面進行波解が存在することも示した。 2. ある種の樹木を幼年期と青年期に分類して、種子の拡散と成長による森林の成長メカニズムを解明するための数理モデルを扱う。特に2次元有界領域で反射境界条件の下、モデル方程式の解の漸近挙動を調べる。そのために方程式から得られた力学系において3種類の包含関係のあるオメガ極限集合を導入した。リアプノフ関数を用いて、成木の死亡率が高い場合3つのオメガ極限集合は一致して零解のみからなる。また、L^2-オメガ極限集合は平衡解のみから構成されることも示した。
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