研究課題
(I)熱対流問題:水平な帯状領域にある流体を下から一様に熱するときの流体の運動の物理パラメーターに依存した解析。(i)上下の境界条件がstress-freeの場合の空間2次元のロール型の分岐解と二次分岐解の存在証明をRayleigh数が臨界点からはなれたところでの計算機援用証明法としてまとめた。(Nakao et al.)(ii)物理的により自然な境界条件、上面がstress freeで、下面が固定の境界条件の場合に、ロール型、六角形型、混合型などのパターン形成とその分岐曲線の延長、これらの一次分岐点からの分岐曲線とははなれたところにある解曲線の存在などの分岐構造の解明が、Rayleigh数が小さくない場合にも計算機援用解析として出来てきた。(Nishida and Teramoto)(iii)上面が自由表面であり表面張力が温度に依存するBenard-Marangoni熱対流の定常分岐及びHopf分岐がおこっているという定理の証明が出来た。(Nishida and Teramoto)(II)力学系:Moser et al.(1999)により問題提起された2自由度の特別なHamilton力学系とそれに対応するHamilton-Jacobi方程式(周期外力を持つBurgers方程式と同値)を考察した。このBurgers方程式の周期解が滑らかな場合は、この解はKolmogorov-Arnold-Noserの定理による力学系の準周期解が載る不変多様体に対応し、周期解が滑らかでない場合は、力学系の解の準周期性の崩れ(カオスなどの発生)に対応する。後者におけるAubry-Mather集合の差分法による構成を計算機によって行えた。多くの衝撃波が現れる場合があり、計算は極めて微妙である。投稿中。
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Journal of Scientific Computing 10
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Chinese Annals of Mathematics, Ser.B 30
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