研究概要 |
本研究では,反応拡散系に関する3つテーマについて研究を行っている.まず,単独反応拡散方程式において線形誘導爆発と拡散誘導爆発の関係について詳しく調べている.部分的な結果が得られたので,Archamps(フランス)で開催されたJapanese French Meeting ReaDiLab 2010「Spatio-Temporal Patterns from Mathematics to Biomedical Applications」において口頭発表を行った. 次に反応拡散近似については,富山大学・村川秀樹氏と3種系の競争拡散系の極限問題に関して共同で研究し,現在論文を執筆中である.これは,極限集合と極限方程式の関係を調べる研究であり,これまでの反応拡散近似にない範疇の極限になっていることがわかり,問題の定式化が難しいことが分かった. 3つ目のテーマであるアトラクターに関する研究としては,台湾師範大学のJ.S.Guo氏と共同研究を行い,2次元のスポット進行波解の構成に成功した.この結果は,論文としてPhysica Dに掲載された.また,新しい非平面進行波解の構成にも成功した.これに関しては,Orsayで開催された「Reaction-Diusion Systems : A ReaDiLab Seminar Day」で講演し,現在,論文を執筆中である.
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