研究概要 |
1.ある自然な公理を満足する、複素平面の単位円板上の正則関数のなすHilbert空間Hを定義して、H上の二つの積分作用素A, Bと掛け算作用素Cを考え、Fredholmになるときを研究している。またA, B, Cの関係を調べている。この公理を満たす空間は重み付きHardy空間、重み付きBergman空間、重み付きDirichleし空間等重要な具体的な空間を特別な場合として含む。 2.一般的な関数環から定義される抽象的Hardy空間(Hilbert空間である)上のToeplitz作用素の不変部分空間を研究している。関数環がある意味で十分多くのinner関数を含むときに三の結果を得ている。関数環に属するシンボルをもつToeplitz作用素(これはsubnomal作用素となる)の不変部分空間と一般的なTeolitz作用素の不変部分空間との関係を明らかにしている。これらの結果は一変数と多変数のHardy空間上のToeplitz作用素に適用されている。 3.以前にHardy空間上のToeplitz作用素がhyponormaiになるsymbolの一般的な条件を、Cowenの定理から与えた。この条件はsymbolが三角多項式のときその係数を調べることに何人かの研究者によって使われた。この研究ではCaratheodory-Schurの補間定理を用いてそのsymbolの零点による特徴付けを与えている。 4.Banach空間Eのその閉部分空間による商空間上のmultiplierを、Eのmultiplierを用いて研究している。Eがいくつかの特別なBanach空間の場合に研究しているが、特にEが重み付きHardy空間(必ずしもHilbert空間ではない・・Hilbert空間の場合はSarasonによって研究された)の場合にそのmultiplierを決定している。また一般的なEについて、その商空間が2次元のときにmultiplierを決定している。
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