研究課題
大きなパラメーターを持つ常微分方程式の接続問題を考える上で、仮想変わり点とそれから派生するストークス曲線は、重要な意義を持つ。仮想変わり点は一般に無限個存在し、また、それから派生するストークス曲線も無限個ある事となる。この困難を解決するために、青木-河合-竹井らにより、本質的に意味のあるストークス曲線を特定するアルゴリズムが導入された。本研究代表者は、このアルゴリズムを満たすストークス幾何が必ず存在しまた唯一である事を既に示している。この結果を踏まえ、本研究課題の主要な目的は、線形方程式のストークス幾何の性質を更に理解し、また、その性質を非線形方程式のストークス幾何に拡張する事である。線形の場合の重要な解決すべき問題として、意味のある仮想変わり点が有限個である事を示す事がある。この問題についてストークス幾何の無限点の近傍での振る舞いに関する良い条件を仮定する事により、この問題を解決した。これは、理論約な意義の他に、数値計算によってストークス幾何を決定する事が有限個の変わり点のみで可能である事を示しており、応用上も重要な結果といえる。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
RIMS Kokvuroku Bessatsu B10
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