研究概要 |
21年度は、昨年の長期滞在に続き、インド統計研究所デリーセンターに訪問し、R.Bhatia教授と論文Positivity and conditional positivitv of Loewner matrices(to appear in Positivity)を作成した。本論文は、大年度雑誌掲載論文Loewner matrices and operator convexity, Math. Annalenに関連する内容で、関数f(t)=t^pのレウナー行列の正定値性やを示した。また、6月にはイタリア・トリエステのICTPで行われたSummer School and Advanced Workshop on Trends and Developments in Linear Algebraに参加し、レウナー行列に関する諸結果の講演を行った。また、Horn, Kribs, Ruska,などの連続講義を受け、量子情報理論や行列解析の現状について学んだ。大学の講義では、4月に著した「マトリックスの世界」を用い、学部生・大学院生の教育に役立て、22年度以降の大学院生の育成に結実した。外国からの訪問者2名、Milan Mosonyi(National University of Singapore), Alexander Guterman(Moscow State University)を受け入れ、量子情報理論や行列解析に関する講演を受けた。内山敦氏とは、Numerical Radius and Unitarity(to appear in Acta Sci.Math.(Szeged))を作成した。ここでは、安藤による数域半径的縮小作用素の特徴づけを用いて、Stampfliの結果の初等的な証明を与えた。例年のごとく、東北大学でのセミナーなどで以上の結果を紹介した。
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