研究概要 |
本研究課題の最終年度である。 1.本研究課題中の「相対論的Schrodinger半群に関する虚数時間経路積分への再訪」について,磁楊付き相対論的古典的Hamiltonian表象に対する3つの相対論的量子化Schrodinger作用素に対する虚数時間経路積分表示の問題を考察し違いを明らかにした。1つ目は一瀬・田村[Commun.Math.Phys,1986]によるWeyl量子化Schrodinger作用素であり,2つ目はlftimie-Mantoiu-Purice[Publ.RIMS Kyoto Univ.2007]にて考案されたもの,3つ目は非相対論的Schrodinger作相素の1/2乗を経て定義された上記1で考察されたものである。本研究の最初の成果を2011年3月茨城大学「数理科学セミナー」で発表・講演した。 2.研究発表の[学会発表]に記したように,2010年7月に開催された「第10回国際会議経路積分2010」(WashingtonDC,米)において,ポテンシャルV(x)をもつSchrodinger作用素:-Δ+V(x)に対するに半群・その積分核のTrotter積による近似が,それぞれノルム収束・各点収束することを招待講演した。本研究の初年度までに,田村英男(岡山大学)との共同研究 [Comm.PDE(2004)]や東嘉紀との共著論文[Integ.Equ.Oper.Theory(2008)]等で得られた成果である。 3.一瀬は,廣島文生(九州大学),Jozsef Lorinczi(Loughnorough大学,英)との共同研究を続けた。相対論的Schrodinger方程式を含む一般のLaplace作用素のBernstein関数で与えられるLevy過程の生成作用素たち,更にスカラー・ベクトルポテンシャル,及び,spinを持つ相対論的Schrodinger作用素たちの半群に対する虚数時間(Levy過程測度による)経路積分表示をsubordinationの手法によって確立した。論文を投稿中である。
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