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2009 年度 実績報告書

線形及び非線形シュレーディンガー方程式に対する散乱理論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20540169
研究機関神戸大学

研究代表者

足立 匡義  神戸大学, 理学研究科, 教授 (30281158)

研究分担者 高岡 秀夫  北海道大学, 理学研究院, 教授 (10322794)
キーワード多体問題 / スペクトル理論 / 散乱理論 / 波動作用素 / 漸近完全性 / 電磁場 / 電荷移動モデル / 時間大域的適切性
研究概要

『時間周期的に変動する一様電場内での特異ポテンシャルによる量子散乱』
研究代表者である足立は、その学生であった木村俊之氏・清水良雅氏と共同で、標記の課題において、電場の時間平均が0でないという条件下で、量子2体長距離散乱問題を考え、粒子間の相互作用ポテンシャルがあるL^p型局所特異性を有する場合に、修正波動作用素の存在とその漸近完全性に関する研究を行った。これまでは短距離型ポテンシャルの場合でさえ、ポテンシャルがある程度滑らかであることが必要とされていた。より具体的に述べると、空間次元が3以上の場合に、|x|^<-1+b>(0<b<1)のような局所特異性を有するポテンシャルが取り扱える理論を構築することに成功した。このようなポテンシャルの特異性は、電場の時間平均が0である場合には既に扱われており、それを時間平均が0でない場合に拡張したものと言える。ただ残念ながら、|x|^<-1>のような局所特異性を有するクーロンポテンシャルを扱うことはできていない。また、空間次元が2以下の場合には、局所特異性を有するポテンシャル自体を取り扱うことができていない。これらのことは電場の時間平均が0である場合でも同じ状況にあり、両者の場合ともに今後の研究課題である。以上の結果は、時間と位置のみに関係する新たな修正因子による修正波動作用素の導入の提唱とともに、既に学術論文において発表されている。この成果を基に、電荷移動モデル(charge transfer model)や多体問題に対する結果の更なる拡張が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Scattering theory for two-body quantum systems with singular potentials in a time-periodic electric field2010

    • 著者名/発表者名
      T.Adachi, T.Kimura, Y.Shimizu
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Physics 51

      ページ: 032103(23)

    • 査読あり
  • [学会発表] 時間周期的に変動する電場中の量子力学系に対する散乱理論2009

    • 著者名/発表者名
      足立匡義
    • 学会等名
      日本数学会函数方程式論分科会特別講演
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2009-09-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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