研究概要 |
本年度は、ボレル総和法の多変数化をパラメータを含んだ場合に研究し、完全漸近解析の基礎理論の整備を行った。9月に、Bore1総和法の研究者であるBalser氏を広島大学へ招聘し、共同研究を行った。(8月27日〜10月1日)。Balser氏の広島大学への招聘にあわせて、広島大学で、関連する若手の研究者を集めた研究集会を開催し、超幾何関数やモノドロミーの研究をしているグループと、研究討論をおこなった。(9月8〜10日)。ボレル総和法の独立変数の多変数化と特異摂動パラメータを含む場合への拡張に関連して、完全漸近解析の研究グループである京都大学の河合氏、竹井氏およびそのグループと9月17〜19日に京都大学数理研で研究集会を行った。講演者は、京都大、名古屋大、上智大、北大、近畿大、関西学院大の研究者等であった。関連して、10月1日、12月14日〜19日にも京都大学で共同研究を行った。また、完全漸近解析の研究成果の社会への還元のひとつとして、国立環境研究所の田中氏を中心とするグループと環境リスクモデルの研究を行なった。(講演および論文発表済)。8月10〜16日にPolandのBanach centerでProf.Grzegorz Lysik,Prof.W.Balserらによって開催された国際会議に参加して、講演と研究討論を行なった。そこで、Todor Gramchev氏(カリアリ大・イタリア)と「ベクトル場の標準形理論に現れる特異性の解析」について、またブラジルのBergamasco氏と「完全漸近解析と大域的可解性」について共同研究を行った。9月には、ウーハン大学のLiu Weian氏を広島大学に招聘し、特異摂動の偏微分方程式への応用の共同研究を行った。研究分担者の滝本と代表者の吉野は、09年3月にウーハン大学に招聘され、そこのグループとこれらの問題で共同研究を行った。同月には、カリタス大の山澤氏とフックス型方程式の完全漸近解析について共同研究をした。
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