研究概要 |
(1) 一般化されたskew informationの満たす不確定性関係を表す不等式を様々な角度から追求し、4編の論文にまとめた。 特にLuoによって示されたWigner-Yanase skew informationに関係した不確定性関係をone parameter拡張した Wigner-Yanase-Dyson skew informationに関係した不確定性関係に一般化することに成功した。 この証明に用いたある不等式が成り立つことを示すことによりLiらの論文では不成功に終わっていた 不確定性関係を新たな形で修復することができた。すなわち U_{\rho, \alpha}(A)U_{\rho, \alpha}(B)\geq\alpha(1-\alpha)|Tr[\rho[A, B]]|^2 ただし U_{\rho, \alpha}(A)=\sqrt{I_{\rho, \alpha}(A)J_{\rho, \alpha}(A)}, I_{\rho, \alpha}(A)=Tr[(i[\rho^{\alpha}, A])(i[\rho^{1-\alpha}, A])], J_{\rho, \alpha}(A)=Tr[{\rho^{\alpha}, A}{\rho^{1-\alpha}, A}] である。 (2) 量子Cramer-Rao inequalityを拡張してFisher informationとの関係を求めたものを1編の論文にまとめた。 (3) 古典-量子通信路における信頼性函数の凹性をsが(-1,0)のときに解明する問題については継続研究とした。 (4) Kimの結果を利用して容量がある種の凸性を満たすかどうかの解明を試みた結果を1編の論文にまとめた。 (5) 古典系の符号理論を量子系の符号理論に応用するために専門家の知識を借りて定式化する問題については継続して行っている。 (6) 数学的な問題としてある種のトレース不等式が成立することの厳密な証明を与えたものを1編の論文にまとめた。 (7) entropy power inequalityが離散型の場合には一般的には成り立たないことが知られているが、成り立つ場合はどのようなときかを調べることについては中間的な発表を行っている。
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