研究課題
本年度の研究計画に従って以下のような考察・議論を遂行した。q-正規作用素の標準正規作用素への拡大問題について、昨年度の結果を踏まえて海外研究協力者であるヤギエオ大学のF.H.Szafraniec教授と、q-正規重み付きシフト作用素の正規拡大性に関する観察および作用素のq-正値条件に関するこれまでの議論を発展させ、"正の変数qが1より小さい場合、q-正規作用素は正規作用素に拡大される、即ち、標準のサブ正規作用素になる"ことを立証することが出来た。系として、より広いクラスであるq-クエーサイ正規作用素も正の変数qが1より小さい場合に標準のサブ正規作用素になることが示された。また、"正の変数qが1より大きい場合、零でないq-正規作用素は標準の正規作用素にけっして拡大されない"ことも得られた。このように、"正の変数qが1より小さい場合、零でないq-正規作用素は標準のサブ正規であり、その共役作用素は決して正規作用素に拡大されない"ことが示された。次に、有界作用素の関係で調べたm-isometryに関して、連携研究者である長宗雄教授(神奈川大学)と棚橋浩太郎(東北薬科大学)と討議を重ねた。特に、m-isometlyが有界な逆作用素をもつパラ正規作用素ならば、ユニタリー作用素になることや、Patelによる2-isometryの場合の結果の一般化としてm-isometryの冪作用素は再びm-isometryになるという重要な作用素の性質を導きだした。さらに、全ての奇数mについて、有界な逆作用素を持つ(m+1)-isometryでm-isometryではない例を有界な重み付きシフト作用素で与えた。この事によりmが奇数の場合のAlglerとStankusの結果と合わせて、全てのmについて上記の命題が成立することが示されたことになる。
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Glasnik Matematicki
巻: (印刷中)
Functional Analysis, Approximation and Computation
巻: 3 ページ: 69-77
Proceedings of the American Mathematical Society
巻: (掲載決定)