研究課題
平成21年度に研究を遂行したのは、主に以下の2テーマについてであり、科学研究費補助金を有効に活用させて頂いた。(1) サンプリング近似とその応用:共同研究者と海外の連携協力者と、前年度はシャノンのサンプリング関数を修正した基底関数や、次数の異なるスプラインから適当に組み合わせた基底関数、いずれを用いても、ある与えられたベゾフ空間に属する信号(関数)のサンプリング近似関数が、最良の誤差評価を満たすことを示せた。それを基に今年度は、国内では早稲田大学、京都大学、九州工業大学、海外では北京大学、浦項工科大学など多くの大学で研究発表を行った。逆にそこでの質疑討論なども刺激となって、夏に逆の不等式評価に気付いた。即ち、ある漸近誤差評価を満足する函数は、対応するベソフ空間に属することが示せたのである。この結果、株価のような連続変動関数の正則指数を、2進有理点における観測値だけを用いた式で、きちんと評価する公式が導けた。既に論文として発表し、査読もパスしている。(2) 数値計算の調和解析:前年度に引き続き、共同研究者や連携研究者らとの共同研究にり、異質な媒質が接触した領域で、高次近似精度を持つ一般化ラプラシアンの数値計算法を研究した。まず、1次元の場合の結果を発表した共同研究論文は読をパスした。次に、2次元の差分公式の求め方について、様々な例を計して、一般的な場合にもほぼ決定的な予想が得られている。これは今年度中には完成できるものと考えており、でき次第、学会や論文の形で発表していく。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
To appear in RIMS Kokyuroku, Bessatsu, ed.T.Ozawa, RIMS, Kyoto Univ., (印刷中)
Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics, 27(印刷中)