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2008 年度 実績報告書

非可換調和解析における特異積分作用素論ー実ハーディ空間の有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20540188
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

河添 健  慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (90152959)

キーワード非可換調和解析 / ヤコビ解析 / 実ハーディ空間 / Triebel-Lizorkin空間 / アトム分解
研究概要

4年計画の初年度である。目的は非可換調和解析における特異積分作用素の強有界性、とくにp=1のときの理論を構築することである。本年度は非可換調和解析としてヤコビ解析をとりあげた。p=1のときの有界性を得るには実バーディ空間H^1が必要であり、さらに補間理論などを用いるにはそのアトム分解が不可欠となる。この視点から本年度はH^1の基礎理論を構築した。ヤコビ解析におけるアーベル変換を用いることにより、H^1はユークリッド空間における2つのTriebel-Lizorkin空間-等質と非等質の共通部分に移されることが分かった。Triebel-Lizorkin空間はsmoothなアトムによる分解をもつ。この分解をアーベル変換の逆変換で引き戻せばヤコビ解析におけるH^1のアトム分解が期待される。実際、アーベル変換の逆変換は分数微分作用素で与えられ、この微分の階数とアトムのsmoothの階数が一致することが分かり、H^1のアトム分解が構築できた。しかし2つのTriebel-Lizorkin空間の共通部分の引き戻しであるため、あまりきれいな形ではない。そこでH^1の部分空間として等質な部分の引き戻しH^1_0を考えた。このH^1_0はアトム分解をもち、補間理論等において非常に有用である。
L^2との補間をとるとH^P_0を得るが、この空間はL^Pの部分空間となる。次年度においてはこの空間を用いて特異積分作用素の強有界性を調べる。本年度はPoisson核に付随した特異積分作用素としてPoisson最大関数、Littlewood-Paley g-関数、Lusin area関数を取り上げ、その(H^1,L^1)有界性を得ることができた。またヤコビ解析を調べる過程でMiyachi型のHardyの定理の拡張を得ることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A generalization of Miyachi's theorem2009

    • 著者名/発表者名
      T. Kawazoe
    • 雑誌名

      J. Math., Soc., Japan 61

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Uncertainty principles for Jacobi analysis2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kawazoe
    • 雑誌名

      Tokyo J. Math. 31

      ページ: 127-146

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Real Hardy space for Jacobi analysis and its applications2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kawazoe
    • 雑誌名

      Infinite Dimensional Harmonic AnalysisIV なし

      ページ: 149-162

    • 査読あり
  • [学会発表] H1 estimates of the Littlewood-Paley and Lusin function for Jacobi analysis2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kawazoe
    • 学会等名
      Internationa Conference on Harmonic Analysis and its applications
    • 発表場所
      広州大学(中国)
    • 年月日
      2008-12-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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