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2011 年度 実績報告書

非可換調和解析における特異積分作用素論-実ハーディ空間の有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20540188
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

河添 健  慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (90152959)

キーワードヤコビ解析 / 実Hardy空間 / 補間定理 / Tribel-Lizorkin空間
研究概要

昨年度までの研究によりヤコビ解析における動径最大関数で定義される実Hardy空間のアトム分解が得られた。本年度はその成果の応用として補間法といくつかの特異積分作用素の有界性について調べた。補間法に関しては、ヤコビ解析における実Hardy空間が、そのヤコビ変換像を考えることによりユークリッド空間における重みつきTribel-Lizorkin空間を用いて特徴付けられることに注目した。これによりTribel-Lizorkin空間に関する補間定理を利用することが可能となった。しかしここで1つの難題が生じた。通常H^1空間とL^2空問を補間すれはL^P空間が補間空間となるが、ヤコビ解析の場合、H^1空間のヤコビ変換像が複素領域における帯領域F(1)で正則となり、L^2空間のヤコビ変換像はこの帯領域がつぶれ実軸上F(0)で定義される。したがって補間空間S^Pはそのヤコビ変換像がF(2/p-1)で正則となる関数からなる。問題はこの空間がL^P空間と同一になるかである。この部分は未解決であり、今後の課題である。成果としてはS^P空間を用いた補間定理を得ることができた。とくにLittlewood-Paleyのg関数やLuzinの面積関数などの特異積分作用素のSP空間上での有界性を得ることができた。L^PとS^Pの関係がまだ明確ではないので論文としての成果の発表は遅れている。色々な空間でのHardy空間に関する研究打合わせを行うためにモロッコで国際会議を主催し、G.Zhang,J.Faraut,A.Baklouti,S.Tangevaluを招聘した。また東京にHe Jianxunを招聘した。
本研究の副産物として、離散ラドン変換に対する実Hardy空間の定義とその特徴付けおよびアトム分解を得ることも出来た。この場合、空間は離散であるが、等質型であるのでヤコビ解析の場合よりは容易である。この研究は研究協力者のA.Abouelaz氏と進めた。またこの変換の画像解析等に関する応用に関しては研究協力者のL.Peng氏と打ち合わせを重ねた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ヤコビ解析における実Hardy空間-調和解析の発展とHardy,空間2012

    • 著者名/発表者名
      河添健
    • 雑誌名

      数学

      巻: 64 ページ: 1-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Atomic decomposition of a real Hardy space for Jacobi analysis2011

    • 著者名/発表者名
      T.Kawazoe
    • 雑誌名

      Adv.Pure Appl.Math.

      巻: 2 ページ: 389-404

    • 査読あり
  • [学会発表] 離散ラドン変換について2011

    • 著者名/発表者名
      河添健
    • 学会等名
      実解析学シンポジウム2011
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011-11-05
  • [学会発表] Discrete Radon transform II2011

    • 著者名/発表者名
      T.Kawazoe
    • 学会等名
      Harmonic Analysis
    • 発表場所
      Peking University
    • 年月日
      2011-09-05

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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