研究概要 |
(i)解析的範疇の無限階擬微分作用素(holomorphic microlocal operator)の表象解析の基礎的部分について京都大学数理解析研究所に於ける短期共同研究集会で講演を行った.この内容は数理研講究録1723で発表された. (ii)Regular-specializableな方程式系(連接D加群)に関し,佐藤超函数解に対するLaurent及びMonteiro Fernandesの境界値写像は,境界面に対して緩増大(延長可能)なSchwartz超函数解に対しても境界値写像を誘導する事を,一般的な設定下で証明する事が出来た.更に,種々の場合に,可解性条件を考察した.この結果を纏めた論文は,Journal of Mathematical Sciences,University of Tokyoに掲載される事が決定した. (iii)以前より考察していたGevery ultradistributionのFuchs型偏微分方程式系による割り算定理の応用として,非正則度の仮定の下で,Regular-specializableな方程式系(適接D加群)の境界面に対して延長可能なGevery ultradistribution解に対する境界値写像を定義する事が出来た.この境界値は,佐藤超函数,Schwartz超函数のもの((ii)を参照)と両立する(論文準備中). (iv)本研究費の補助に依って,2010年7月に日本大学理工学部に於いてLuca Prelli氏(パドヴァ大学)にSheaves on Subanalytic Sitesという題名で2回講演をして頂いた.内容はSchwartz超函数及び無限階可微分函数の代数解析的取り扱いに関するものである.
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