研究課題/領域番号 |
20540191
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山崎 晋 日本大学, 理工学部, 准教授 (00349953)
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キーワード | 代数解析学 / 超局所解析学 / D-加群 / 佐藤超函数 / 初期値・境界値問題 / 分布・超分布 / 無限階擬微分作用素 |
研究概要 |
解析的範疇の無限階擬微分作用素 (holomorphic microlocal operator) の表象解析の基礎的部分について引き続き研究を続けた.この研究内容については,更に,青木貴史氏 (近畿大学),本多尚文氏 (北海道大学) と共同研究を行う事となった. Regular-specializable な方程式系 (連接 D 加群) に対し,非正則度の仮定の下で,導来圏の中で,境界に於いて延長可能な Gevery ultradistribution 解に対する境界値写像を定義する事が出来た.この境界値は,佐藤超函数,Schwartz 超函数のものと両立する.又,平成23年11月に,京都大学数理解析研究所に於ける研究集会に於いて,この内容の一部を講演した. Colin による formal microlocalization の理論は,近年,Prelii により subanalytic sheaf の超局所化の応用として再構成された.筆者は通常の層の理論の立場から,この理論の詳細を検討した. 平成24年3月に日本大学理工学部に於いて,研究集会「超局所解析とその展望 (Microlocal Analysis and Its Developement)」を,研究代表者として開催し,併せて Microsupport of Whitney Function Solutions to Systems with Regular Singularities and Its Applications という題で講演を行った.内容は,非特性及び確定特異点型という仮定の下で,Whitney 函数及びその超局所化の場合の解層 (導来圏内での) の超局所台の評価を与え,その応用として,双曲型の仮定下で,初期値及び境界値問題の一意可解性を証明するというものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年6月,海外の共同研究者の都合により,ディスカッション日程を変更した為,今年度の研究計画に変更が生じたが.その他の点では,比較的順調に研究が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
今迄は,代数解析学の枠組み (D-加群及び超局所的手法) による初期値及び境界値問題について,主として定式化 を中心に考察してきた.特にFuchs 型に関しては.佐藤超函数解及びSchwartz の分布解についてはほぼ満足すべき定式化が得られ,超分布解については非正則度の仮定下で平行した結果が得られた.今後は更に,非正則度の簡明な定式化,及び分布解,超分布解の可解性の問題を考察したい.
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