研究課題
ヒルベルト空間上の作用素に対する準対角性(QD)の概念を、具体的流れ(ヒルベルト空間上に表現された流れ)及び(抽象的)流れに対して拡張する。その拡張の仕方として二通りQDとPDが考えられたが、その両者が流れに対する概念としては一致すること示す。具体的流れに対しては両者は異なると思われ、流れのどういう表現がQDを満たすかは流れの性質を探求する上で興味深いが詳細は分からない。さらに、準対角性の概念よりは弱いMF流れの概念を導入した。これは行列環上の流れで一番弱い意味で近似されると思われる流れのことで、MF環上に環の定義に従って自然に定義される。定義よりMF環は可分であるが、ある意味でMF流れに対して普遍的な流れが非可分なC*環上に構成される。(それに対して行列環上の流れで一番強い意味で近似されると思われる流れがAF流れであり、AF環上に環の定義に従って自然に定義される。)これは統計力学モデルとなりうる時間発展を記述する流れとして一番一般的であると思われる。ただしCスター環が核型の場合はMF流れは準対角流れとなりこの二つの概念は一致する。(この場合MF流れは核型の定義とも両立する。)また双対MF流れの概念も導入した。これは実数軸上行列環に値をとる関数環の平行移動で近似される流れのことで、MF流れの内部摂動類を分類しようとすれば必然的に考察しなければならない流れである。その他にUHF流れについてもそのスペクトル分布にもとづく考察を行い、普遍的UHF流れの性質を探求した。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Acta Mathematica Sinica, English series
巻: 27(印刷中)