研究課題/領域番号 |
20540200
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
飯田 雅人 宮崎大学, 工学部, 教授 (00242264)
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研究分担者 |
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
大塚 浩史 宮崎大学, 工学部, 准教授 (20342470)
矢崎 成俊 宮崎大学, 工学部, 准教授 (00323874)
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キーワード | 反応拡散系 / 特異摂動 / 界面ダイナミクス / 国際情報交換 / 米国 |
研究概要 |
1.反応拡散系の急速反応極限に現れる角遷移層に対する高精度近似解を構成するための試金石として、二種競争拡散系の角遷移層に対し、昨年度までに界面付近における漸近解の正値性を証明できた。それを踏まえて本年度は、この漸近解の、界面から離れた場所で別途構成される近似解への、接合を試みたところ、滑らかな接合に必要な整合条件が(見かけ上)過剰決定系になってしまう困難に見舞われた。しかるに、研究分担者大塚・辻川が培った変分構造解析・定常界面安定性解析の手法を応用し、漸近解の周りでの線形化ダイナミクスの構造を詳細に分析した結果、整合条件の過剰部分が他の部分から帰結されることが判明し、整合条件の成立は保証されたので、近似解を精度評価する準備が整った。次期研究課題の第一歩として近似解の精度評価を完了させたい。 2.多種協調拡散系の「多段階侵入」の近似に関しては、特殊な係数条件のもとでは昨年度までに近似解をFisher型進行波の重ね合わせとして構成できた。本年度は、二宮・Luiの協力のもとで力学系の観点から分析した結果、「未侵入平衡状態へ単独で侵入する種のFisher型進行波の速度」を用いた解釈により、この特殊な係数条件の意味が明らかになった。(ここまでの成果をまとめた論文も掲載受理された。)さらに、この特殊な係数条件を緩和しても「多段階侵入」が起きるか否かを調べるため、研究分担者矢崎の協力のもとで数値実験して状況を分析した。その結果、系の構成種各々の「単独侵入種としての進行波の速度」の大小関係に基づいて様々な多段階侵入を分類できそうであることが示唆されたので、次期研究課題として挑戦したい。
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