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2008 年度 実績報告書

シュレーディンガー作用素のスペクトル解析に基づく超格子構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20540204
研究機関金沢大学

研究代表者

小栗栖 修  金沢大学, 数物科学系, 准教授 (80301191)

キーワードシュレーディンガー作用素 / スペクトル解析 / 超格子 / δポテンシャル / 負の固有値 / 離散ラプラシアン
研究概要

超格子構造とは、江崎玲於奈の提唱による異種半導体の薄膜を積層させて製造される人造の構造物で、量子効果を用いた半導体デバイスの一種である。特定のエネルギーを透過または遮断する特性を持つ量子デバイスであり、透過域には真の透過域と準透過域が生じることが知られているが、その生成の原因は不明で、その制御は難しい問題になっている。
本研究はこの超格子構造を数学的対象ととらえて、その特性を数学的に解析することにある。この問題は、数学的には一次元のシュレーディンガー方程式の逆散乱問題のひとつである。本年度の研究では次のような成果が得られた。
まず、研究協力者である浅倉邦彦らとの検討で、2種類の無限周期超格子に対応する影像インピーダンスを縦続接続した等価回路で変調超格子の準通過域の情報が読み取れること、また摂動項を伴う場合の検討を行い、電子情報通信学会で発表した。
また、純数学的な課題として、デルタ型ポテンシャルによる有限個の点相互作用を伴う一次元シュレーディンガー作用素の離散固有値の個数の問題を考察した。Albeverioらによる個数の評価の結果を一般の場合に拡張した下からの評価が専門誌に掲載され、さらに固有値の個数と負のポテンシャルの個数が等しくなる必要十分条件をAlbeverioらの結果を含む形で拡張でき、論文を投稿中である。離散シュレーディンガー作用素の場合にはAlbeverioらの結果に相当するものも未知であったが、昭和大学の樋口雄介と共同で計算をすすめて、投稿論文を推敲中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] On the Number of Negative Eigenvalues of a Schroedinger Operator with Point Interactions2008

    • 著者名/発表者名
      Osamu Ogurisu
    • 雑誌名

      Letters In Mathematical Physics 85

      ページ: 129-133

    • 査読あり
  • [学会発表] 影像インピーダンスを利用した変調超格子の準通過域情報の抽出2009

    • 著者名/発表者名
      浅倉邦彦
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] 回路理論の応用による変調超格子の準通過域形成に関する-考察2009

    • 著者名/発表者名
      浅倉邦彦
    • 学会等名
      電子情報通信学会
    • 発表場所
      岐阜県長良川国際会議場
    • 年月日
      2009-03-02
  • [学会発表] 有限個のポテンシャルを伴う離散ラプラシアンの固有値2008

    • 著者名/発表者名
      小栗栖修
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 発表場所
      能谷大学
    • 年月日
      2008-12-15

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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