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2008 年度 実績報告書

力学系の軌道の到達時間分布によるカオス現象の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20540214
研究機関首都大学東京

研究代表者

平田 雅樹  首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 助教 (70254141)

キーワード力学系 / カオス
研究概要

数理物理などで扱われるカオス的現象には従来の数学的意味ではカオス的と定式化できないものも多く、そのような力学系の軌道の性質を到達時間分布の統計的な性質で記述することにより、カオス現象の新たな特徴付けを行い応用面でも意義のある指標を作ることを目的として、研究に取り組んだ。典型的なカオス力学系である一様双曲型の場合や非一様双曲型でも有限不変測度を持つ陽合には、平均で規格化した到達時間の極限分布が指数分布になるという先行結果があるので、本研究では主に無限不変測度を持つ非一様双曲型力学系を考え、あるモデルについて得られた限定的な結果(ある規格化を行った到達時間の極限分布が指数分布と安定分布の結合形になる)をより一般化する作業を進め、また力学系の他の諸性質(特に1次元モデルの不動点での性質)との関連について調べた。そのために連携研究者と協力して情報収集や議論を行い、最適な規格化の方法などを検討し、極限分布の形とintermittencyとの関係を明らかにした。これは間欠型カオスの「強さの程度」と到達時間分布という実験的にも検証可能なものとを結び付けるもので、応用的にも大いに意義ある結果と思われる。
また、本研究に関連して、再帰時間スペクトルの問題等について、2009年3月にパリにおいて国外の研究者と情報収集および共同研究を行った。
今後は、到達時間分布とエントロピーや相関関数などの既存のカオス指標との関係について調べていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Return time distribution and Strength of Chaos2008

    • 著者名/発表者名
      Masaki HIRATA
    • 雑誌名

      proc. of international workshop "Chaos and Complexity"

      ページ: 13-23

    • 査読あり
  • [学会発表] An approach to the new characterization of chaotic phenomena by the return times2009

    • 著者名/発表者名
      Masaki HIRATA
    • 学会等名
      ワークショップ「Infinite ergodic theory and its applications」
    • 発表場所
      エコール・ポリテクニーク
    • 年月日
      2009-03-11
  • [学会発表] 再帰時間スペクトルについて2008

    • 著者名/発表者名
      平田雅樹
    • 学会等名
      研究集会「複雑系の数理」
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      2008-12-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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