研究課題/領域番号 |
20540216
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高橋 太 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10374901)
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研究分担者 |
西尾 昌治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90228156)
加藤 信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10243354)
佐藤 友彦 学習院大学, 計算機センター, 助教 (50397676)
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キーワード | 臨界Sobolev型方程式 / 爆発解析 / 漸近的非退化性 / 漸近的一意性 / 係数関数の影響 |
研究概要 |
本年度において研究代表者高橋は、主に研究分担者佐藤とともに、臨界Sobolev型の2階および4階楕円型方程式の最小エネルギー解の漸近的一意性にっいて研究を進め、特に領域や係数関数に対称性を課した場合にいくつかの結果を得て、研究成果をまとめた。 考える方程式が係数関数を持つ場合には、係数関数の影響が爆発解の定性的性質にどのように影響するかは興味ある問題であるが、高橋は領域に対称性等を仮定しない一般の場合に、爆発解の漸近的非退化性と係数関数のかかわりを統一的に明らかにする研究に取り組んだ。ここでの研究手法である爆発解析は、劣臨界Sobolev型および線形摂動項つきの臨界Sobolev型方程式のいずれの場合にも適用でき、高橋はそれを用いることで、係数関数から定義される有限次元領域上のある関数項行列の爆発点における可逆性と、爆発解の(無限次元関数空間上の作用汎関数の臨界点としての)非退化性との間に密接な関係のあることを見出すことに成功した。これらの結果は有限次元領域上のある関数が、爆発点の位置やその爆発のスピードといった定量的なデータを決定するのみならず、爆発解の定性的な性質にまで関与することを示しており、たいへん興味深いと思われる。 さらに高橋は爆発解の形状とそのMorse指数との関係についても研究を進め、モデルケースとして、2次元有界領域におけるRen-Wei型問題の最小エネルギー解の、非線形指数を無限大に近づけた場合の複数点爆発解について1つの結果を得た。この成果は現在投稿中である。 これらの研究成果は学術論文として発表されたほかに、日本数学会関数方程式論分科会特別講演として高橋によって発表され、また東北木学大学院集中講義としてもその内容の一部が講義された。
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