本研究の目的は、Coriolis力を伴うNavier-Stokes方程式(回転場の流体)にたいして、次の問題を解決することである:1)定常解のCoriolis力ついての解の漸近展開。2)漸近展開の各項の方程式(モデル方程式)の決定。3)モデル方程式の検証。 今年度は、定常解の漸近展開を一般のp乗可積分空間で行えるか否かを解析した。ただし1<p<∞である。結果的は解決に至らなかった。本年度の研究では、p乗可積分関数空間での解の解析は本問題にはなじまないことが分かった。Coriolis項を含むStokes問題が、Coriolis力に対して一様評価を持たないことが判明しためである。今後考えられるのは、重みを持ったp乗可積分関数空間でCoriolis力に関して一様評価が出来るかと言うことだが、今後の検討課題である。現在は、2乗可積分空間の場合に、Coriolisの漸近挙動は分かっているので、この解の漸近挙動を更に明確にする為1/(Coriolis力)のオーダーで漸近展開し、それぞれのオーダーの漸近方程式とその解の存在と一意性の解析を行っている。1/(Corlolis力)のオーダーで漸近展開以外にも、1/(Coriolis力)^mのオーダーでの漸近展開で意味のある漸近展開が出来るかどうかも検討する予定である。これらの解析は、まとまりのある結果とはなっていないので解析を進めていく予定である。この解析を通じ意味のあるモデル方程式が現れることを期待しているところである。
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