研究概要 |
(1)伊東は昨年からの,E.Seler氏とのクオーク粒子の閉じこもりの問題についてUCLAのTomboulis教授との論争に終止符を打つため、共同研究をつづけ、Tomboulis氏の方法では証明はできないことを論証した。この結果はarXivに掲載され,2008年にMainz(ドイツ)で開催された「繰り込み群とハドロン物理」に関する国際学会で,Tomboulis氏と同じ場所で発表された。 さらに伊東はフィールド賞を受賞した,ペレルマンが繰りこみ群のアイデアを使っていることから、そのアイデアを微分幾何に用いることが想定され、東京大学で開催する,数理物理セミナーで繰り込み群と微分幾何の関係について講義した。 また若手のこの分野での研究を鼓舞するため、この分野で活動している若手を集めて「数理物理学若手セミナー」を主催し,Anderson局在で福島竜輝氏,非線形方程式で千葉逸人氏ら(ともに京大)との問題意識の共有につとめた。 (2)島田はかねてから研究してきた,Aharanov-Bohm効果をシュレディンガー方程式の解を分析して証明することを、岩塚,峰両氏(京都工芸繊維大学)と共同研究し電流の流れている半径rのレノイドを含む系のHamiltonianがrが0の極限で,ある作用素に(Resolvent)収束することを示した。
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