研究概要 |
本研究では,中心星の近傍に存在する系外惑星を念頭におき,同期回転している(公転周期と自転周期が等しい) 地球型惑星において存在しうる気候状態の探索を行なう.大気大循環モデルを用いて,自転角速度・太陽定数を変化させたパラメータ実験を行ない湿潤同期回転惑星に生じる気候状態の多様性,その遷移メカニズムを明らかにする まず,放射特性が波長に依存しない灰色大気の場合について,入射放射量と自転角速度を変化させたパラメータスタディを行い,全球凍結状態・海洋存在状態(部分凍結状態もしくは氷無し状態)・暴走温室状態の気候状態が現れるパラメータ範囲,同時に気候状態の遷移を起こすメカニズムについて考察を行う 次に,赤色矮星の周囲の同期回転惑星を念頭においた場合について,地球とは異なる場合に対する惑星放射スキームを作成し,それを用いたパラメータ実験を行ない,赤色矮星の周囲の同期回転惑星において温暖な気候が発生する条件を求める これらの数値計算により,同期回転惑星表層で液体の水が存在できる条件を明らかにし,系外惑星における生命存在可能性を考える手がかりを提供することを目指す
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